安心できるシニアライフのために!相続・遺言,後見のことなら,お気軽にご相談下さい!
大阪の予防法務の専門家 大串真コ行政書士事務所です

トップページ 取扱業務内容 基本料金一覧表 事務所ご案内 お問い合わせ
 

  [相続]の基礎知識

解説 解説編
 

Q.9(遺贈の放棄について)

先日,同居していた義理の父が亡くなりました。

私は長男の妻ですが,義父は,ここ数年病気で寝たきりで,同居してきた私が介護をしてきました。

ところで,義父は遺言を残しており,先日,家庭裁判所で遺言の内容が明らかになりました。

その日の晩に夫から話を聞いたところ,義父は私に対しても自分の財産を渡す旨を記載していたということでした。

私は,私自身に義父から何らかの財産をもらうこと等考えてはおりませんでしたし,相続人でない私が義父の財産をもらってしまうと,かえって兄弟間で夫の立場が悪くならないかが心配で,義父の気持ちはありがたいとは思うのですが,私としては放棄したいと考えております。

相続に関しては,放棄することが認められることは分ったのですが,私のように相続人でないものが遺言で財産を受けた場合,その遺贈を放棄することはできるのでしょうか?
 
A.9

先に説明しましたように,相続人以外の方が,被相続人の遺言で財産を譲り受けられることを遺贈といい,遺贈を受ける方のことを受遺者といいますが,これについても相続と同様に,受遺者はその遺贈を承認するか放棄するかは自由に選択することができます。

ですから,あなたの場合にも,義父様の遺贈を放棄することは可能です。
但し,遺贈には大きく分けると2つのパターンがあり,その2つのパターンで取るべき対応が異なります。

そこで,あなたの場合は,義父様の遺言の内容がどのようなものであるかを確認されて,以下の2つのパターンのいずれに当るかを確認してもらった上で,必要な放棄の手続を取ってもらわなければなりません。
まず,包括遺贈(「ほうかついぞう」と読みます。)といって,遺言で財産の全部又は一定の割合(例えば,「財産の3分の1を遺贈する。」等と記載されている場合です。)を与えるとされている場合があります。

包括遺贈を受ける受遺者のことを包括受遺者といいますが,包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有すると民法に定められていますので,全部を遺贈された場合には,相続人に対して遺産全部を引き渡すように申し出ることになります。

又,一定の割合で遺贈された場合には,相続人等と一緒に遺産分割協議をされて取得する財産を決めてもらうことになります。

この場合に注意が必要なのは,包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有するということから,遺贈を受けた割合でマイナスの財産も遺贈を受けることになることです。
そのため,マイナスの財産が多い場合や,遺贈を受けたくない等の理由で,その遺贈を放棄される場合には,相続放棄の手続と同様に,遺贈を知った時点から原則として3ヶ月以内に,遺贈放棄の申述を家庭裁判所にしていただければ,その遺贈を放棄することが可能です。

遺贈の放棄がなされた場合は,遺贈されることになっていた分の財産は,相続財産に戻ることになり,相続人等が法定相続分に従って権利を有することになります。
なお,包括受遺者には遺留分(最低限度保証される相続分のことだと思って下さい。)は認められていませんので,その割合が少ないからといって,何らかの主張ができるものではありません。

又,包括受遺者が被相続人より先に死亡している場合には,その方に対する包括遺贈は効力を生じず,遺贈には代襲も認められていません。

そのため,受遺者が先に死亡している場合には,代襲相続と同じようにその受遺者の子供等に遺贈したいと思われるときは,その旨を遺言で別に定めておくことが必要となります。
これに対して,遺言で財産を特定して(例えば,「自宅の土地と建物を遺贈する。」とか「○○銀行の定期預金1000万円を遺贈する。」等と遺言に記載されているような場合です。)与えるとされている遺贈のことを,特定遺贈(「とくていいぞう」と読みます。)といい,特定遺贈を受ける受遺者のことを特定受遺者といいます。

特定受遺者は,その財産を受け取るだけの権利を有するだけで,相続人と同一の権利義務を有するものではありませんので,特定受遺者が取るべき対応は,その遺贈を受ける(承認)するか放棄するかだけになります。

代襲することがないことと遺留分が認められていないことは,包括遺贈の場合と同じです。
特定受遺者の承認又は放棄については,特に要式や期間が定められていませんので,承認又は放棄の意思を相続人等に伝えればよく,いつでも承認又は放棄をすることはできます。

但し,特定受遺者が長期間にわたって,承認又は放棄の意思を明らかにしないときは,他の相続人等の遺産分割協議にも影響を与えることになります。

そこで,相続人等からは特定受遺者に対して,相当の期間を定めて承認するか放棄するかを明らかにするように催告(立場を明らかにするように求めることです。)することができ,その催告があった場合に回答しなければ,遺贈を承認したものとみなされることになります。

なお,特定遺贈の承認や放棄については,承認又は放棄する旨を明らかにし,その旨を相続人等に伝えて手続を取る等すればよいのですが,特に放棄する場合には,後日紛争になったりすることを避けるためにも,配達証明付の内容証明郵便にて行われることをお勧めします。
Q.9のページへ戻ります   A.8のページへ戻ります   A.10のページに移動します
 
Copyright © 2013 大串真コ行政書士事務所 All rights reserved.
by 予防法務の専門家 大串真コ行政書士事務所