安心できるシニアライフのために!相続・遺言,後見のことなら,お気軽にご相談下さい!
大阪の予防法務の専門家 大串真コ行政書士事務所です

トップページ 取扱業務内容 基本料金一覧表 事務所ご案内 お問い合わせ
 

  [後見]の基礎知識

解説 解説編
 

Q.6(「後見」について)

私の母は,70歳を超えて,認知症を発症し,今はほとんど会話もできず,私達家族の言うこともちゃんと理解しているのかもハッキリしませんし,身の回りのこともほとんど家族が面倒を見ている状態が数年続いています。

これまでは,家族だけで何とか面倒を看てはきたのですが,それも負担が大きく,いよいよ老人介護施設へ入所させることを考えております。

母は,父の残した財産として,1,000万円程度の定期預金を持っていますので,これを解約して,その費用に当てたいと思いますが,当然のことながら,母が自分で預金を解約すること等できません。

法定後見を申し立てる必要があると思いますが,「後見」の決定がされるとどのようになるのでしょうか?

又,私は,営業職のサラリーマンで,法律や福祉のことは全く疎いのですが,私が母の後見人になることはできるのでしょうか?
 
A.6

お母様の状態を伺うと,A.5で説明した,「後見開始相当」の状態に当るように思われますので,医師の診断を受けた上で,A.4の説明も参考にしていただき,「後見」の申立てをしてもらうのがよいのではないかと思います。
「後見」の決定がなされると,本人に後見人が選任され,先に説明しました通り,本人は,医師・薬剤師,士業者等であれば,その資格を失います。それ以外にも,会社役員や公務員の地位も失うことになります。

又,印鑑登録については,新たに登録することはできませんし,役所の実務上,既になされている印鑑登録は取消されることになります。

なお,選挙権につきましては,平成25年5月31日公布の改正公職選挙法により,被後見人は選挙権及び被選挙権を有することとなりましたので,選挙権,被選挙権を剥奪されることにはなりません。
そして,選任された後見人には,取消権と代理権が与えられます。

そこで,本人は基本的に後見人に代理してもらって契約や売買等の法律行為等を行うことになりますし,本人が単独で行った法律行為については,後見人が取消すことができることになりますので,本人単独ではほとんど何もできなくなると考えてもらって構わないかと思います。

又,各種資格,地位の喪失については,ある意味,本人が希望されることではないのかもしれませんので,その制限があることから申立てをためらわれるという話も聞くことがあります。

そこで,「後見」が開始された場合の制限については,できれば,本人に事前に理解してもらい同意していただいた上で,申立てをすることに越したことはないのですが,正常な判断能力を失っておられる状況が続いているという状態においては,その点について本人の理解や同意がなくてもやむを得ないものと考えていただく必要があるとは思います。
唯一,平成12年の民法改正において,本人が「日用品の購入,その他日常生活に関する行為」については,取消の対象から除かれることになりました。

これは,日常生活に関することまで後見人が取消せることになると,本人の生活にあまりに干渉しすぎであり,できるだけ本人の意思を尊重するという法定後見の理念にも反することから,取消の対象から除かれることになったのです。

ただ,そうなると,認知症の方のケースで時々聞く話ですが,本人が近所のスーパー等で食べきれないほど多量の買物をしたり,何度も同じ物を買う等の行為をされることがあっても,法的には取消せないことになります。

そこで,本人が1人で出歩くことが可能で,そのような行為を行う可能性がある場合には,後見人等から店の責任者の方等に連絡をしてもらって,実際にそのような問題が起きないように,相当の対応をしてもらうような手当が必要になることには注意が必要です。
なお,結婚,離婚,遺言のような一身専属的な身分行為については,特に本人の意思を尊重しなければならないので,本人に「後見」が開始されたとしても,後見人が代理で行うことはできません。

実際には,遺言には被後見人の遺言ができる方法について民法の規定があります([遺言]の基礎知識のQ.2を参考になさって下さい。)ので,その規定に従った方法で行うことになりますし,結婚や離婚については,本心からそうしたいという婚姻意思や離婚意思が確認されないと無効になる可能性がありますので,慎重になされるべきものであるということには注意が必要です。
「後見」の決定がなされると,その後は,本人の状態が回復しない限り,原則として本人が死亡するまで「後見」の状態が続くことになります。

ですから,万一,後見人が辞任したり,解任されたり,死亡した場合には,新たな後見人が選任されて,本人は引き続き「後見」を受けることになります。

但し,本人の状態が回復して「後見」を受ける必要が無くなり,後見開始の審判の取消の申立てをした上で,家庭裁判所にて取消の審判がなされたときには,「後見」は終了します。
ところで,後見人に関しては,法律や福祉の専門家に限られるものではなく,A.4でも説明しましたが,欠格事由に該当しなければ,ご家族がなることも可能ですし,親族が後見人になるケースが多いのが実際のところです。

もちろん,後見人の選任基準としては一般的な基準が定められている訳ではなく,本人の心身の状態,生活や財産の状況,後見人になる人の職業や経歴,後見人と本人の間の利害関係の有無,後見人になる人の意見等,一切の事情を考慮した上で,最終的には家庭裁判所が判断して決定することになります。

ですから,あなたが候補者として後見人になることを希望されたとしても,選任されないこともありえます。

とは言うものの,あなたに健康上の不安がなく,特にお父様とあなたが対立されたりもしておらず,他のご家族等関係者からの否定的な意見等が無いようであれば,あなたが後見人として選任される可能性は高いものと思われます。
後見人は家庭裁判所から直接監督を受けることになりますので,担当の書記官の方と連絡を取られて,家庭裁判所の確認・指示を受けながら後見人の仕事をやっていただければよいかと思います。

又,あなたのように,法律には疎いとおっしゃられる方が後見人として選任される場合で,財産関係が複雑であったり,訴訟等の可能性がある等後見事務が複雑であったりする場合には,法律の専門家が後見監督人として選任される可能性もありますので,後見監督人が選任された場合には,基本的に後見監督人の同意を得た上で,後見業務を行ってもらうことになります。

又は,あなたのほうから,後見監督人選任の申立てをしてもらって,後見監督人を選任してもらうという方法もあります。

後見人の職務等については,改めて説明します。
Q.6のページへ戻ります   A.5のページへ戻ります   A.7のページに移動します
 
Copyright © 2013 大串真コ行政書士事務所 All rights reserved.
by 予防法務の専門家 大串真コ行政書士事務所