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  [後見]の基礎知識

解説 解説編
 

Q.4(法定後見制度と申立ての方法について)

後見制度の概略は大まかに分りましたが,まずは,法定後見制度について,どのようなものか,申立てはどうすればよいのか等,詳しく教えてもらえませんか?
 
A.4

法定後見制度は,先に述べましたように,保護の程度の重い順番から,「後見」,「保佐」,「補助」の3つの類型があります。

ですから,本人自らが行う行為に対する制限も「後見」が一番重く,続いて「保佐」,「補助」の順に制限が軽くなっていきます。

法定後見を受けるということは,本人は,判断能力が無くなる又はおとろえている状態にあるということですので,本人の勝手な行動によって本人の利益が害されることのないよう,本人の利益を保護するために,本人の行為等を制限することになります。
主な制限としては,「後見」と「保佐」が開始された本人は,医師,薬剤師,士業者等の資格や会社役員,公務員等の地位を失うことになります。

又,特に「後見」が開始された本人は,役所の実務上,印鑑登録は抹消されますので,その点には注意が必要となります。なお,「補助」に関しては,そのような資格の制限はありません。

(※なお,平成25年5月31日公布の改正公職選挙法により,被後見人にも選挙権,被選挙権が認められることになりましたので,「後見」が開始されても,選挙権を剥奪されることはなくなりました。)
それぞれの類型の具体的な内容については,別にご説明しますので,まず最初に,共通する申立てについての概略について説明します。

申立ては全て本人の住所を管轄(担当)する家庭裁判所に対して行うことになります。

管轄の家庭裁判所につきましては,裁判所のホームページ等でご確認されるか,お問合せ下さい。
申立てができる人は,本人,配偶者,4親等内の親族,後見人や保佐人等,検察官,市町村長が申し立てることができます。

そして,当然のことですが,上記のような申立てができる人からの申立てがあって,初めて家庭裁判所が本人の保護の程度について判断をし,その旨の審判がなされることになりますので,たとえ判断能力が衰えている人であっても,家庭裁判所が勝手に本人の「後見」,「保佐」,「補助」を決めるものではありません。

ところで,申立てができる人に,何故,検察官や市町村長が含まれているのかということに疑問を持たれる方もおられると思います。

本来であれば,本人や近親者らの本人のことをよく知っている親族が申立てするのが望ましいのですが,身寄りのない高齢者や親族に虐待を受けておられるような方の場合には,本人保護のためにも第三者であっても申立てができるようにしておくべきことから,公益的な立場にある検察官や市町村長にも申立ての権限が与えられているのです。
なお,四親等内の親族については,以下に簡単な図で説明しますので,ご参考になさって下さい。

四親等内の親族図

次に,申立てに関する手続ですが,全国どこの家庭裁判所であっても,基本的な部分は共通ですが,各裁判所によって,作成すべき書類や取寄せすべき書類の内容,申立にかかる費用,申立の段取り等が多少変わることになります。

そのため,申立てをされる前に,各々の家庭裁判所に問い合わせの上確認していただきますよう,お願いします。

なお,手続に関して,裁判所への法定後見の申立書の作成については,行政書士が業として行うことができませんので,私に戸籍謄本等必要書類の取寄せをご依頼された場合には,申立てに関するご説明やサポートは致しますが,申立書等作成すべき書類自体は申立てをする方自らで作成していただき,自らで申立てしていただくことになりますことをご了解下さい。

但し,どうしても代理して申立てをしてもらうことを希望される場合には,弁護士に依頼していただくことになりますので,そのときは,弁護士をご紹介します。
まず,取寄せなければならない書類について説明します。

最初に,後見を受けることになる本人に関する書類ですが,第1に本人の診断書を入手することが必要となります。

医師は精神科の医師に限るものではなく,かかりつけの医師がいらっしゃるのであれば,その方に書いてもらっても構いません。

法律上,診断書の書式も制限はありませんが,裁判所のホームページに載っている定型の診断書の書式を使用されることをお勧めします。

それから,本人の戸籍謄本(外国籍の方の場合には,外国人登録原票記載事項証明書)と住民票,登記されていないことの証明書(申立ての時点で,後見等が始まっていないことを証明する書類で,法務局の本局にて申請して取得してもらうことになります。)が必要となります。

本人以外の方が申立てされる場合には,申立人についても,戸籍謄本(外国籍の方の場合には,外国人登録原票記載事項証明書)が必要となりますが,本人と申立人が親子関係にある等,本人と同じ戸籍であれば不要です。

更に,申立ての際に,後見人等になって欲しい候補者を記載する場合には,その候補者の方の住民票(本籍の記載のあるもの。外国籍の方の場合には,外国人登録原票記載事項証明書)が必要となります。

大阪以外の家庭裁判所では,破産等を受けていない旨の身分証明書(市町村役場にて取得してもらうことになります。)の提出が必要な場合もあります。

但し,候補者については,後見人等の欠格事由(後見人等になれない方)として,未成年者,家庭裁判所で過去に法定代理人や後見人等を解任等された人,破産して免責決定を受けていない人,本人に対して訴訟をしている人とその配偶者及び直系血族,行方不明の人が定められていますので,それ以外の方を選ぶ必要があることには注意が必要です。

簡単に言うと,他人の財産管理ができるとは思えない方,本人と対立関係にある方は後見人等にはなれないということです。

なお,候補者に関しては,身近に候補者にふさわしいと思われる方がいない場合については,家庭裁判所に一任することも可能です。

その場合には,弁護士や司法書士,行政書士等の法律の専門家や福祉関係の専門家が選任される可能性が高くなります。

又,社会福祉法人のような法人や福祉団体等を候補者にすることや,複数の方を候補者にすることも可能です。

詳しくはお問合せ下さい。
続いて,作成すべき書類ですが,申立書は裁判所のホームページに載っている定型の書式をダウンロードして使用してもらうか,申立てをする家庭裁判所に問い合わせていただいて,書式を取寄せて下さい。

なお,大阪家庭裁判所に申立てをする場合には,大阪の裁判所のホームページの下のほうに,大阪家庭裁判所専用の書式が掲載されていますので,そちらからご確認いただくか,大阪家庭裁判所に問い合わせて下さい。

申立書以外の書面については,一般的には申立書付票というものを作成することになり(上記裁判所のホームページよりダウンロードできます。),そこで,本人の現在の状況,財産や負債,収入や支出等の状況,後見人等の候補者についての状況,申立てに際しての本人の家族等の同意の有無等を説明することになります。

なお,大阪家庭裁判所に申立てする場合には,親族関係図,財産目録,収支予定表,本人と候補者に関する照会書,候補者の陳述書,他の親族等の同意書等,大阪家庭裁判所専用の書面を作成してもらうことになります。

いずれも,上記,裁判所のホームページよりダウンロードしていただけますし,家庭裁判所の受付で申請していただければ,書式は入手することができます。
いずれにしても,後見人,保佐人,補助人は,本人の財産を管理し,本人の利益を守る立場になりますので,本人の財産状況についてはきちんと把握しておかなければなりませんし,当然のことですが,家庭裁判所は個人の財産状況を認識しているものではありません。

そのため,申立ての時点で,本人の財産状況については,ある程度詳しい書面を作成して説明する必要がありますし,預金通帳等の財産関係の書類のコピーを提出することで,作成した書面に間違いがないことを明らかにしなければなりませんので,その辺りの段取りは結構手間ひまがかかるものであることは理解しておいて下さい。

書面の作成,必要書類の取寄せ,資料の作成が出来れば,事前に家庭裁判所の受付に連絡を入れた上で(少なくとも,大阪家庭裁判所については,申立てを受付してもらえる日を電話予約してもらうことになります。),申立てをするという流れとなります。

なお,本人の意思をできるだけ尊重し,必要な保護類型を決定するという観点から,「保佐」の申立てに保佐人に代理権を与える旨の申立てを併せてする場合と「補助」の申立てに関しては,本人が申立てに同意していることも必要となります。
申立てにかかる費用としては,申立書に貼る収入印紙が800円(保佐,補助の申立ての場合,追加の申立てによっては,1,600円又は2,400円になる場合があります。),切手が3〜5,000円程度(申立ての内容,家庭裁判所によって異なります。),後見登記のための収入印紙2,600円が必要となります。

更に,裁判所からの再度の鑑定が必要な場合には,概ね10万円程度までの鑑定費用(通常は3〜5万円程度です。)がかかることになり,これに関しては原則として申立ての際に10万円を予納してもらうことになります(予納というのは,裁判所にお金を預けることですが,最終的に費用が余った場合には返却されることになります。)。

又,申立てにかかる費用は,原則として申立人が負担することになるのですが,本人以外の方が本人保護のために申立てをしたような場合で,本人に資力がある場合には,「申立費用は本人に負担させる旨の命令を求める」という文言を申立書に記載して,本人に負担させる旨の費用負担命令を出してもらうことで,申立費用を本人に負担させることが出来ます。
一般的には申立て後,1〜3ヶ月位で申立てに対応した「後見」,「保佐」,「補助」の審判が出され,本人に対して,後見人,保佐人,補助人が選ばれ,又,必要に応じて各々の監督人が選ばれることになります(裁判所からの再度の鑑定が必要であるか,必要な書類がきちんと揃っているか,調査が困難でないか等の事情によって,各々のケースで審判が出されるまでの期間は異なります。)。

審判書の謄本を受け取ってから,不服申立てがなされることなく2週間を経過すると,後見等の審判が確定し,更に,東京法務局にて,後見の登記がなされて,法定後見がスタートすることになります。

法定後見がスタートしてからの流れは,項を改めて説明します。
又,「後見」,「保佐」,「補助」は重複して決定されるものではなく,本人の状態に応じて,いずれかの類型1つが家庭裁判所によって決定されることになります。

ですから,例えば「後見」の申立てをしていても,家庭裁判所での再度の鑑定や本人等からの事情の確認の結果で,「保佐」や「補助」で十分であるという判断がされたときは,申立ての変更を求められた上で,より軽い類型の決定がなされることもあります。

更に,既に「保佐」や「補助」の審判がなされている方が,更に状態が悪化して,現在の保護体制では不充分であるような状態になった場合には,改めて「後見」や「保佐」の申立てをすれば,現在の保護の状態が取消されて,新たに現状にあった重い保護が受けられるように審判がなされたり,逆に状態が改善して,より軽い保護でよくなったような場合には,より軽い保護を申し立てることで,現在の保護が取消されてより軽い保護に変更されることもあります。

この後,それぞれの類型について,詳しく説明します。
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