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  [後見]の基礎知識

解説 解説編
 

Q.20(任意後見契約のパターンについて)

任意後見契約には,いくつかのパターンがあるということを聞いたことがありますが,具体的にはどういうことでしょうか?
 
A.20

任意後見契約は,契約の時点では判断能力はシッカリしていて,その後,判断能力がおとろえたときに保護が開始されるという制度ですので,契約を結んだ時点と保護が開始される時点が時間的にはなれていることが多いものです。

具体的には,任意後見契約を結んだ後に,本人,配偶者,四親等内の親族,任意後見受任者が,本人の判断能力がおとろえたため任意後見を開始すべきと判断した時点で,家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立てをして,家庭裁判所で任意後見監督人が選任されると任意後見がスタートすることになります。

そのため,契約を結んでからの流れで,通常3つのパターン(即効型,将来型,移行型)があると説明されます。
具体的には,

1.即効型とは

 

任意後見契約を結ぶことの判断はきちんとできているものの,既に判断能力の低下が始まっていて,すぐにでも任意後見を開始して欲しいという場合のパターンです。

この場合は,任意後見契約を結んだら,すぐに,任意後見監督人選任の申立てをすることになり,任意後見監督人が選任されると任意後見が開始することになります。

 

この場合,本人が任意後見契約を結ぶことをきちんと理解できていない可能性があるのではないかという問題がありますが,公証人によって,本人が任意後見契約を結ぶことをきちんと理解できていると慎重に判断された上で,任意後見契約書が作成されますので,一応,本人の理解はあるものとされます。

但し,本人の判断能力の低下の具合によっては,法定後見が必要と判断される可能性もありますので,慎重に判断すべきであることはもちろんですし,判断能力の低下が始まっている状況では,即効型の任意後見を選択されるよりも,法定後見を検討されることをお勧めします(日本公証人連合会のホームページでも,同様の説明がなされています。)。

2.将来型とは

 

任意後見契約を結ぶ時点では,判断能力に何ら問題はなく,契約締結後も,基本的には本人が単独で法律行為等を行うものの,判断能力が低下して任意後見が必要となった時点で,任意後見監督人選任の申立てをして,任意後見を開始するパターンで,これが,法律が予定している任意後見の一番基本的なパターンとなります。

 

将来型でのパターンで契約する場合に注意すべきことは,契約後もしばらくの間は,特に代理人を定めることなく,本人自らが法律行為等を行いますので,受任者は定期的に本人の状況を確認して,本人の判断能力の低下の状態を把握し,本人の保護が必要と判断したときは,速やかに任意後見監督人選任の申立てをして,保護の時期が遅れないようにしなければならないという点です。

そのため,将来型の任意後見契約を結ぶ場合で,親族の方に任意後見人を依頼されるときには,受任者の方は定期的に本人を訪問・面談して,本人の状況を確認することが必要となりますし,私達のような第三者の専門家に任意後見人を依頼されるときには,受任者が定期的に訪問・面談することを定める「見守り契約」(私は,「定期連絡契約」と呼んでいます。)を別に結んで,受任者と定期的に会うような段取りをされることをお勧めします。

3.移行型とは

 

任意後見契約を結ぶ時点では,判断能力に何ら問題はないものの,身体の具合が悪い等の理由で,任意後見受任者に一般的な代理人として行動してもらうことを希望される場合のパターンです。

この場合には,任意後見契約に併せて,事務委任契約を別に結んでもらい,判断能力が低下していない間は,事務委任契約に基づいて,代理人として行動してもらい,判断能力が低下して任意後見が必要となった時点で,任意後見監督人選任の申立てをして,任意後見を開始するパターンです。

 

この場合には,事務委任契約を任意後見契約と併せて,公正証書で1つの契約書として作成する(但し,公証人の手数料は2件分となります。),任意後見契約とは別に事務委任契約を結んで,公正証書で2通の契約書を作成する,公正証書は任意後見契約だけにして,事務委任契約書は別に作成するという3つのやり方があります。

移行型の任意後見契約にするのであれば,費用の点では,多少割高になりますが,1通の公正証書で事務委任契約と任意後見契約を併せて作成する方法をお勧めします。

 

なお,契約締結後しばらくは事務委任を依頼せず,まずは「見守り契約」(「定期連絡契約」)だけを締結して,定期的に訪問・面談を受け,身体の具合が悪くなってから,事務委任契約をスタートさせるというパターンも考えられ,これを段階型と説明される専門家の方もおられますが,基本的には移行型の1つであると思っていただいてよいかと思います。

 

この場合に注意すべき点は,事務委任契約に関しては,本人の判断能力は十分であることから,たとえ,任意後見受任者に法律行為の代理を依頼したとしても,金融機関等によっては,代理人による手続を認めない取扱をされたりすることがあり,契約をしたからといって包括的に代理人として活動してもらうことができず,その都度,委任状を書いていただく等の手間がかかることがある等,事務委任を受けた方の権限が統一的に扱われていないことです。

 

ただ,移行型の場合には,契約締結時点より,事務委任契約がスタートしていることになり,任意後見受任者の方が定期的に本人と会って事務の委任を受けることになり,本人の状況確認については一番適切に判断できるものと言えますので,将来型に比べると,任意後見監督人選任の申立て時期の判断等は,より適切に行ってもらえる可能性が高いというメリットがあります。

任意後見契約を結ぼうと考えられるということは,少なくとも,身体の具合が思わしくなくなる等,将来に不安を感じられたことがきっかけになったものと思われますので,特に第三者に依頼される場合には,契約締結後も定期的に受任者の方と接触ができて,受任者の方に自分の状況の確認もより確実に行ってもらえるよう,移行型のパターンか,将来型+「見守り契約」(「定期連絡契約」)を結ばれることをお勧めします。
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