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  [後見]の基礎知識

解説 解説編
 

Q.18(後見開始迄に財産を処分されるおそれがあるときの手続について)

私の母は,私の自宅の近所で兄夫婦と同居しています。

母は重度の認知症を患っており,ほとんど会話もできない状態で,私は母には「後見」が必要な状態にあると判断していますが,兄夫婦は自分達がちゃんと母の面倒を見ているのだから「後見」等必要ないと同意しませんし,当然ながら申立ての準備さえしようとしません。

そればかりか,母の預金を勝手に使って,新車を買ったりしているようです。私がそのことに気づいて兄に問いただしたところ,母の病院への送り迎え等のために必要だから買ったのだと言います。

それ以外にも,結構,母の預金から,自分達の生活費等までも出しているようですし,母の面倒を見ているとは言うものの,何時私が訪ねてもいつも薄汚れた同じ服を着せられているようだったりと,ちゃんと面倒を見てくれているようには思えません。

私としては,母がこのまま兄夫婦と同居して,適当にしか面倒を見てもらえないのであれば,老人介護施設等に入居させてきちんとした専門家の介護を受けさせてあげたいと思うのですが,母は,自分では何もできない状態ですので,私が「後見」の申立てをしようと考えています。

そこで,家庭裁判所に行って,パンフレットや必要な書式等をもらってきたのですが,申立てをして,後見人が決まるまでには,数ヶ月はかかると書いてありました。

兄夫婦の今の状況から見て,母の「後見」の申立てに同意してくれる見込みはありませんし,私が「後見」を申立てしたことが判ったら,それこそ,決定が出るまでの間に,母の預金を全部自分のものにしておくようなことをしかねません。

もし,そうなってしまえば,母を施設に入所させることさえできなくなってしまい,「後見」を申し立てる意味もなくなりかねません。

こういう場合に,兄夫婦に勝手なことをさせないようなことはできないものでしょうか?
 
A.18

ご質問のような,本人以外の第三者が本人の財産を使い込んでいるようなケースや,それ以外にも本人自身が浪費を繰り返していたり,訪問販売業者等が頻繁に来ていて高額の商品を購入しているというようなケースであれば,本来ならば,すぐにでも「後見」なりを開始してもらって,保護を開始することが必要です。

ところが,実務上,法定後見の申立てから開始の審判(決定)がなされるまでは,どんなに早くても1ヶ月はかかってしまいますし,通常は,決定がなされるまでには,2〜3ヶ月程度の期間をみておかなければならないのが,実際のところです。
このような場合に,申立てをしただけでは,本人の保護に欠けることになりますので,とりあえず,本人の財産を本人や第三者に勝手に処分できないようにする方法として,「審判前の保全処分」という方法があります。

これは,法定後見の申立てがなされ,法定後見の決定がなされる可能性が高い場合で,緊急の必要があると認められるときには,家庭裁判所に財産管理者を選任してもらって,その管理者に法定後見の正式な決定がでるまでの間,本人の財産を管理してもらう,更には,その財産管理者にとりあえず後見人等の仕事をしてもらうというものです。

また,実際に後見人等が選任されている状況で,後見人を解任しなければならないような場合に,その後見人等に勝手に職務を行わせないようにするというものもあります。

審判前の保全処分の詳しい内容については,別にお問合せ下さい。
ところで,「審判前の保全処分」については,あくまで,法定後見の申立て等をした場合に,その旨の決定が出るまでの間,仮に財産管理なり後見なりの処分を求めるというものですので,まずは,本案となる法定後見の申立てをした上でないと,申立てできません。

そのため,法定後見の申立ての前に,「審判前の保全処分」だけを先行して申立てすることはできません。また,緊急の必要があることが認められなければなりませんので,何故,保全処分が必要であるかという事情を疎明(説明することと考えて下さい。)することが必要になります。
ですから,あなたの場合であれば,まず,お母様の法定後見の申立てを準備してもらい,その上で,併せて保全処分を申し立てる準備をする必要がありますので,まずは,お母様の診断書を取得してもらうことが必要となります。

その他の申立てに関する内容は,A.4の説明をご参考になさって下さい。

そして,保全処分の申立てに関しては,緊急の必要がある疎明資料については,あなたが事情を説明した報告書のような書類を作成されるか,保全処分の申立書の中で,詳しく説明されればよいかと思います。
ところで,現時点で,お母様の診断書が取得できていない場合ですが,お兄様ご夫婦に内緒で診断書が取得できれば一番よいのですが,それができないような状況であれば,家庭裁判所に事情を説明して,診断書のない状況での申立てを受け付けてもらえるように,事前に相談してみて下さい。

但し,家庭裁判所の判断として,診断書は必ず必要であると回答される可能性は否定できませんし,仮に申立てを受け付けてもらったとしても,その場合には,鑑定料として10万円を先に納めて,家庭裁判所の指定する医師の診断(鑑定)を受けてもらわなければ,お母さんに「後見」が必要かどうかの最終的な判断ができません。

そのため,裁判所から指定された医師の鑑定の時点で,お兄様ご夫婦にあなたがお母様の「後見」を申し立てていることが判ってしまうことにはなるかと思いますが,それからの保全処分の決定等に時間がかからずに済むよう,申立てに際しては,家庭裁判所と綿密に相談して下さい。

なお,このような申立ては,極めて例外的な申立てとなりますので,一般的にこのようにできますということを説明することも確約することもできません。

又,家庭裁判所のほうで,どの程度あなたの意向に沿った形で手続を進めてもらえるのかも分りませんので,事前の相談や申立てをしてみないことには,具体的な流れが分らないとしか言えませんので,その点はご了解いただきたいのですが,まずは,具体的な事情を含めて家庭裁判所に相談してみて下さい。
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