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  [後見]の基礎知識

解説 解説編
 

Q.15(補助人の仕事と責任について)

私は,先日,軽度の知的障害を有する息子の「補助」の申立てをして,補助人に就任しました。

「補助」開始に当っては,同意権については,1万円を超える金額の商品を購入する場合に,代理権については息子の銀行取引と息子が作成した絵の売買契約について,代理権を付与してもらうことになりました。

これは,息子は小さい頃から絵を描くのが好きで,色々な方に評価をしていただき,何度か息子の絵を買って下さる方がおられましたので,今後も,そのようなことがあるだろうと考えてのことです。

ところで,私は専業主婦で特に法律を学んだこともありませんので,補助人がどのような仕事をして,どのような責任を負うのか,今一つハッキリしません。補助人の仕事や責任について教えていただけないでしょうか?
 
A.15

「補助」というのは,基本的には,自らの行為の結果を理解できるような状態の方に対する保護となりますので,A.14でも説明しました通り,補助人は,付与された同意権や代理権の範囲内で仕事をしてもらうことになります。
ですから,あなたの場合には,息子さんが1万円を超える金額の商品を購入される場合には,それに同意するかどうかを決定してもらうことになりますし,万一,息子さんが,あなたの同意なく勝手に購入してきた場合には,必要に応じて,取消すか追認するかしていただくことになります。

取消や追認の方法は「後見」と同じです(A.7を参考になさって下さい。)。

また,息子さんの作品の売買契約については,あなたが代理人として購入希望者との間で契約してもらうことになります。
なお,補助人に関しても,就任時の財産調査や財産目録の作成については,法律上の義務は定められていませんが,家庭裁判所は後見人にいつでも報告や提出を求めることができるという規定が補助人にも準用されていますので,実務上は,就任時の財産調査や財産目録の作成,定期的な報告はしなければならないものであると考えて下さい。

この点については,家庭裁判所の担当書記官に確認を取って,その指示に従って下さい。

なお,財産管理についてのある程度の包括的な代理権を付与された場合には,就任時の財産調査や財産目録の作成が必要となりますので,その場合には,家庭裁判所に確認された上で,指示された調査等をしてもらうことになりますので注意が必要です。
又,補助人が善管注意義務や身上配慮義務を負うこと,本人の居住用不動産の処分,利益相反行為(この場合,選任されるのは特別代理人とはいわず,臨時補助人と呼ばれます。),本人の行為を目的とする契約の際の補助人の権限の制限,補助人の報酬,補助人の辞任や解任に関すること,「補助」の終了時の実務等については,基本的には後見人や保佐人と同様ですので,A.7A.8A.9A.11の説明を参考になさって下さい。

更に,「補助」の場合には「保佐」の場合以上に,本人の判断能力の低下が進行中であったり,逆に状況が好転する可能性もありますので,本人の状況の変化に応じて,新たな申立てを検討したり行ったりする必要が「後見」や「保佐」の場合より多いであろうということには注意が必要です。
なお,被補助人である本人は,基本的には,同意権や代理権の付与がされていない行為については,自らが行為を行うことができるのが原則ですので,本人自らが行為をされて問題が発生する可能性は「後見」や「保佐」と比較してより高いものと言えます。

そこで,補助人も,本人との面会や会話については,詳細な記録を残しておかれる方が,何らかの問題が発生したときの助けになると思います。

この点は,「後見」,「保佐」の場合以上に重要であると思って下さい。
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