安心できるシニアライフのために!相続・遺言,後見のことなら,お気軽にご相談下さい!
大阪の予防法務の専門家 大串真コ行政書士事務所です

トップページ 取扱業務内容 基本料金一覧表 事務所ご案内 お問い合わせ
 

  [後見]の基礎知識

解説 解説編
 

Q.11(後見終了後の手続について)

私は,老人性痴呆症の父の後見人をしておりました。

先日,父が亡くなりましたので,父の「後見」は終了することになると思いますが,後見人としてどのような残務処理をすればよいのでしょうか?
 
A.11

「後見」は,本人の状態が回復した上で,後見開始の審判が取消されて,本人が制限を受けなくなる場合と,本人が死亡した場合には,そもそも「後見」の必要がなくなりますので,終了します。

このような場合を絶対的終了原因といいます。

また,後見人が死亡,辞任,解任等によっていなくなり,本人には引き続き「後見」の必要はあるものの,現在の後見人との関係が終了するという場合を相対的終了原因といいます。

今回,あなたのお父さんはお亡くなりになっていますので,絶対的終了原因による「後見」の終了となります。
このように,「後見」が終了した場合には,後見人は,2ヶ月以内に,後見人として活動してきた期間の収支を計算して,就任時と同様に,「後見」終了時点での財産目録を作成して家庭裁判所に提出しなければなりません。

この場合に,2ヶ月間では計算ができないというときは,期間を延ばしてもらう申立てをしてもらうことになります。

なお,後見監督人がいる場合には,立ち会ってもらわなければならないと定められていますので,後見監督人にも連絡してもらい,計算してもらうことになります。

なお,後見人の死亡による終了や,後見人が計算の途中で死亡した場合には,後見人の相続人が後見事務にかかる収支の計算をしなければならないことになります。
次に,本人の死亡によって「後見」が終了していますので,後見人は東京法務局に後見終了の登記を申請しなければなりません。

本人の死亡以外に,後見開始の審判が取消されたり,後見人の解任,辞任等,家庭裁判所の審判によって「後見」が終了する場合には,家庭裁判所の書記官の方から,その旨の登記申請がなされます。
そして,後見人として,終了に際して報酬を求めたいときは,家庭裁判所に報酬付与の申立てをしてもらうことになります。

これに関しては,報酬を与えるかどうか,又報酬の金額については,家庭裁判所の判断によりますので,申立てをしたからといって必ず思っているだけの報酬を受けられるものではありませんが,それまで無報酬であった,特に大変な職務を行った等の場合で,残った本人の財産額や後見事務の内容等を判断して,家庭裁判所から報酬付与の決定がなされた場合には,決定内容に応じた報酬を受け取れることになります。
その上で,残った本人の財産は,遺言があれば遺言執行者か受遺者に,遺言がない場合や遺言に記載されていない財産がある場合には相続人に引渡してもらうことになります。

遺言がなく,相続人もいない場合には,後見人が相続財産管理人の選任申立てをした上で,選任された相続財産管理人に財産を引渡してもらうことになります。

また,後見開始の審判が取消されて,本人が能力を回復した場合には,本人に引渡してもらうことになりますし,辞任,解任等によって,その後見人による「後見」が終了したときは,新たに選任された後見人に引渡してもらうことになります。
財産の引渡しが完了すれば,後見人としての手続は全て終了することになります。

後見終了の報告書を家庭裁判所に提出することは法律上の義務ではありませんが,提出しておくことが望ましいのは当然ですし,各家庭裁判所によっては,実務上,提出を求める取扱をしている場合もありますので,確認して下さい。

以上が,「後見」が終了したときの後見人の手続となります。
なお,被後見人である本人が死亡した場合,当然のことながら,それまでの医療費・施設費や葬儀費用等の支出の問題が残ることになります。

法律上は,後見人と被後見人である本人の間の関係は委任契約となり,委任契約においては,原則として,当事者の死亡によって委任契約が終了することになります。

但し,法律上は,委任が終了した場合であっても,急迫の事情があれば,委任を受けた方(受任者といいます。)は,相続人等に引き継ぐまでは必要な処分をしなければならないと定められていますので,本人の死亡直後であれば,後見人が預貯金の払い戻しを受けることも法律上は可能ということになります。
とは言うものの,実務上は,金融機関が急迫の事情があるかどうかを判断することが困難で,後見人からの払い戻しに応じてもらえないケースがほとんどです。

もちろん,後見人が本人の債務を弁済すべき義務はありませんので,本来であれば,相続人等に引き継いだ上で任せてしまえばよいということになりますが,現実問題として,まず後見人に対して請求や連絡がなされる可能性は高く,その場合に,後見人が「『後見』が終了して権限がなくなりましたので,何もできません。相続人等に請求,連絡して下さい。」というのでは,あまりに杓子定規な対応であり,社会常識にも反することと思われます。

この点は,法律の不備によるものとして,法改正を求める意見はありますが,規定が整備されていない現状では,家庭裁判所や後見監督人,相続人等と打合せをした上で,事前に必要な資金額を後見人名義の預り金口座に移しておくとか,後見人が相続人でもある場合には,相続人全員の同意を得て相続人代表として本人名義の預貯金を速やかに解約できるように準備をしておく等の段取りを取って,事実上,後見人が手続を行っている(又は行わざるを得ない)ことが多いというのが現状ですので,イザというときに慌てないで済むように事前の段取りをしておく必要があると思っておいて下さい。
Q.11のページへ戻ります   A.11のページへ戻ります   A.12のページに移動します
 
Copyright © 2013 大串真コ行政書士事務所 All rights reserved.
by 予防法務の専門家 大串真コ行政書士事務所