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  [後見]の基礎知識

解説 解説編
 

Q.10(後見監督人の役割について)

私は,この度,同居している痴呆症の父の「後見」申立てをし,私が後見人に選任されました。

ところで,父の「後見」については,家庭裁判所で弁護士の方が後見監督人に選任されました。

後見監督人というのは,どのような役割の方なのか教えてもらえないでしょうか?
 
A.10

後見人というのは,これまでに説明した通り,本人に対して包括的な代理権や財産管理権という大きな権限を与えられていますので,後見人が権限を濫用するようなことがあると,本人は重大な不利益を受けることになりかねません。

しかしながら,通常,被後見人となる本人は判断能力が無いといってよい状態ですので,被後見人である本人が,後見人が正しく職務を行っているかを監視できることは全く期待できません。

もちろん,後見人の監督は家庭裁判所が行うものですので,通常は家庭裁判所と連絡を取って,その指示に従い監督を受けることになるのですが,必要に応じて,後見監督人を選任できると定められていますので,後見監督人が選任された場合には,後見監督人がまず,後見人の職務を監視する役割を負うことになります。
但し,後見監督人は,必ず選任されなければならないものではなく,あくまで,後見人等の申立てや家庭裁判所の判断によって必要と認められれば選任される任意のものです。

家庭裁判所の職権で選任されるケースは,財産関係が多額であったり,債権債務が多数あって複雑であったりする場合や,訴訟手続や遺産分割協議等法的な対応が必要である場合で,なおかつ,後見人が親族であるような場合に,法律には疎い後見人だけでは荷が重いようなケースがほとんどであると考えてもらってよいと思います。
なお,選任された後見監督人は,後見人と同様に善管注意義務や身上配慮義務を負うことになります。

そこで,法律上は,後見監督人が本人と面談することを義務付けられているものではありませんが,本人の利益を保護するために後見人を監督する立場ですので,後見人とだけ接するのではなく,被後見人である本人とも必要に応じて面談し,本人の状況の把握に努める必要があるものとされています。

後見監督人の選任に当っては,後見人の選任と同様に,家庭裁判所が一切の事情を考慮した上で,決定することになります。

又,法人や複数の人が後見監督人になれることも後見人と同様です。

後見監督人になれる方も後見人とほとんど同じですが,後見人に身近な人では十分に監督ができない可能性がありますので,後見人の配偶者や直系血族,兄弟姉妹も後見監督人にはなれないと定められています。
後見監督人の報酬については,基本的には,後見人と同様に扱われますので,A.8の説明を参考になさって下さい。

但し,報酬の金額については,後見人に報酬が付与されているときは,通常,後見人よりは少ない報酬額が定められるケースが多いようです。

後見監督人が後見監督事務について必要な費用を支払った場合には,本人の財産から支払われることは,後見人と同様です。
又,後見監督人の辞任や解任についても,後見監督人が不正行為をしたり,後見監督人として不適当である場合に,解任されることがあることや,正当な事由がある場合に辞任できることも,後見人と同様ですので,A.9の説明を参考になさって下さい。
後見監督人の職務については,まず第一に後見人の事務の監督が挙げられます。

具体的には,
 

1.後見人が被後見人に対して有する債権債務の確認

 

後見監督人が選任されているときに,後見人が被後見人に対して債権債務を有するときは,財産調査の開始前に,後見人はその旨を申し出なければなりません。

 

法律上,後見監督人にそのことを確認する義務は定められていませんが,後見人が故意に債権があることを申し出なかった場合には,その債権を失うことになりますので,実務上は後見監督人が確認する扱いになっています。


2.財産調査,財産目録作成のときの立会い

 

後見人の最初の仕事の1つですが,後見監督人が選任されているときは,その立会いなく,作成された財産調査と作成された財産目録は無効になってしまいます。


3.後見事務の報告請求,財産目録の提出請求

 

後見監督人は,いつでも報告,提出の請求ができます。

 

後見人の監督者という立場上,当然です。


4.後見事務,本人の財産状況の調査

 

これも,後見人の監督者という立場上,いつでも調査可能です。

 

なお,3.と4.については,当然のことながら,家庭裁判所にも同様の権限があります。

 

このように,きちんと報告を受け,調査をすることで,後見人を監督し,本人の利益を保護することになるのです。


5.家庭裁判所に対して,被後見人の財産の管理その他後見の事務に必要な処分の命令を求めること

 

被後見人のために必要な処分については,家庭裁判所が職権で命じることもできますが,後見監督人のほうが,より早く分る可能性が高いので,このような申立てができます。


6.後見人の解任の申立て

 

後見人が不正行為を行ったり,職務をきちんと行わないときは,本人に対する不利益となりますので,解任を申立てすることができます。

 

もちろん,家庭裁判所が職権で解任することも可能です。


7.後見人に対する同意

 

後見人が被後見人である本人に代わって,営業活動をしたり,民法第13条第1項の各号(A.12を参考になさって下さい。)に定める重要な行為をするときには,後見監督人の同意を得なければ,後見人が勝手に行った行為は取消しができると定められていますので,そのような行為を後見人が代理人としてする場合に同意をすることになります。

 

但し,同項第1号の元本を受領することについては,後見監督人の同意は不要です。

 

ですから,通常の預金引出等の銀行取引等は後見人が単独でできますが,本人のために,契約等を代理人として締結する場合には,後見監督人の同意が必要になるというものであると考えて下さい。

後見監督人は,後見人の監督が主な職務となりますが,それ以外にも,いくつかの事務をすることになります。

 具体的には,

1.後見人がいなくなったときの選任申立て

 

後見人が死亡した場合等,後見人がいなくなったときは,すぐに新しい後見人の選任を家庭裁判所に申し立てなければなりません。

 

本人の保護のために必要なことです。


2.緊急の場合の必要な処分

 

後見人が一時的に病気になる等して,後見事務ができないような緊急の場合には,本人に対する保護が途切れないように,後見監督人が本人のために必要な行為をすることができます。


3.利益相反行為についての本人の代理

 

後見人と被後見人である本人の双方が,相続して遺産分割協議をしなければならないときや,賃貸借契約を締結する等契約の当事者同士になるときは,後見人と被後見人である本人の利害が対立することになりますので,後見監督人が本人の代理人となって,後見人と交渉,取引することになります。

 

後見監督人がいない場合には,特別代理人を選任して本人の代理をしてもらうことになるのですが,後見監督人がいる場合には,わざわざ別に特別代理人を選任するまでもないということです。


以上が後見監督人の役割となります。
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