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  [遺言]の基礎知識

解説 解説編
 

Q.9(追加の遺言をするときのことについて)

私は,数年前に自筆証書遺言を作成しました。

その後,幸運にも更に財産を増やすことが出来ましたので,新たな財産も追加してもう一度遺言したいと思っています。

このようなときは,前の遺言書は破棄した上で,新たに書き直す必要があるのでしょうか?

以前に遺言書を書いたときは,内容が結構細かく遺産を分けるものであったことに加えて,子供等に対する思い等色々なことを書きましたので,結構なボリュームになりましたし,完成までには何度も書き直しをしたりして手間もかかりましたので,あの内容を又一から書かなければならないのかと思うと,少々おっくうになります。

できれば一から作り直さないで済めばよいなと思っておりますので,前の遺言書を残して,別に新たな財産についてだけの遺言書を作成したいと思っておりますが,そのような方法は法律上問題はないでしょうか?

又,今回,以前の遺言書の内容を多少修正しようかとも考えていますが,その場合には,新たな遺言書にその旨を記載してもよいのでしょうか?それとも以前の遺言書を訂正しないといけないのでしょうか?
 
A.9
まず,遺言書は1通でなければならないという法律上の定めはありません。

ですから,以前に作成した遺言書の内容はそのまま活かして,新しい財産について別の遺言書を作成されることには法律上は何ら問題はありません。
つまり,複数の遺言書があっても,各々の遺言書の内容が矛盾する(法律上は「抵触〔ていしょく〕する」といいます。)ような記載が無ければ,全ての遺言書が有効なものとして取り扱われます。

ですから,例えば,最初の遺言書は不動産の分配についてのみ,2通目の遺言書は預貯金の分配についてのみ,3通目の遺言書は株式の分配についてのみを定めるというような遺言書を複数書くという方法も可能です。

なお,そのように複数の遺言書を全て活かしたいと思われる場合には,後の遺言書の中に,例えば「平成24年1月1日付の遺言書の内容は維持した上で,新たに追加して遺言する。」とか「本遺言書以前の日付の遺言については,その内容は全て有効とした上で,追加して遺言する。」等というような一文を入れて,以前の遺言書も有効であることを分りやすくしておくほうが,親切であることは間違いありませんが,もちろん,そのような記載がなくても,遺言としては有効です。
これに対して,以前に作成した遺言書の内容と今回作成される遺言書の内容が矛盾(抵触)するようなときには,その矛盾する部分については,後の遺言で前の遺言を取消(撤回)したものとして扱われます。

ですから,前の遺言書を訂正せず,そのままにしておいても,今回の遺言書で前の遺言書の内容を変更されれば,前の遺言書のうち変更された内容は取消されたものとして扱われます。

もちろん,これも「平成24年1月1日付の遺言書の第1項については,次のように変更する。」等のように,以前の遺言書と今回の遺言書とがどのように違うのかを分るように記載されるほうが親切であることは間違いありません。

但し,これについても,そのような記載がなくても,内容が矛盾するときは,法律上は新しい遺言書の方が有効とされますので,書かなければならないということではありません。
そして,この点で,自筆証書遺言の作成の際に,日付を特定できるようにきちんと書いておくことが重要になってくるのです。

つまり,複数の遺言書が存在し,その遺言書の内容が矛盾する場合には,一番新しい遺言書の内容が有効とされ,古い遺言書の内容は取消されたものとなるからです。

もちろん,内容が矛盾しなければ,古い遺言書の内容はそのまま有効になります。
例えば,以下のように,
 
  1.平成24年1月1日付の遺言書では,
    不動産を妻に,定期預金を長男に,株式を次男に各々相続させる。
 
  2.平成24年3月1日付の遺言書では,
    不動産を妻に,定期預金を次男に各々相続させる。
 
  3.平成24年5月1日付の遺言書では,
    不動産を長男に相続させる。
 
という内容の3通の遺言書があった場合には,
 
不動産については,5月1日付の遺言書が有効で,長男が取得することになり,
定期預金については,3月1日付の遺言書が有効で,次男が取得することになり,
株式については,1月1日付の遺言書が有効で,次男が取得することになります。

このように,遺言書が複数存在する場合に,内容が各々の遺言書で異なる場合には,一番新しい遺言書の内容が有効となります。

ですから,以前の遺言書を訂正する必要まではなく,変更した内容の遺言書を作成するだけで,法律上は遺言の内容を変更したことになります。
但し,複数の遺言書が存在し,その内容が異なる場合には,通常は,相続人等の間での取り分が変更されているでしょうから,特に古い遺言書より取り分が少なくなる相続人等には何故そのように変更したか等の事情を遺言書中に付言事項としてきちんと書いておくなり,事前に説明して理解してもらっておかないことには,イザというときに争いになりかねないことには注意が必要です。

上にあげた例では,妻は何も相続できないことになり,長男は定期預金を相続できないことになります。
以前の遺言書を書くときに大変だったことから,その遺言書はそのまま活かして,新たに遺言したいというお気持ちはよく分ります。

ただ,単なる追加だけではなく,内容に修正を加えられるのであれば,そのことをよほど丁寧に話をしておく等のことをされておかれなければ,内容の矛盾する複数の遺言書の存在は相続トラブルの元になるものと思っていただいたほうがよいかと思いますので,私の個人的な意見としましては,内容を変更されるのであれば遺言書を複数残される方法は基本的にはお勧めしません。

そこで,私は,追加で遺言されるのであれば,費用はかかりますが,以前の遺言書も含めて,自筆のものは破棄した上で,公正証書遺言で一つの遺言として作成し直されることをお勧めします。
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