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  [遺言]の基礎知識

解説 解説編
 

Q.19(遺言執行者の役割について)

遺言を作成しようと思って,本を読んだりしました。

本の中で,遺言をするときは,遺言執行者を指定するように書かれているのですが,遺言執行者とは具体的にどのようなことをするのでしょうか?

又,遺言する際には,必ず指定しなければならないのでしょうか?
 
A.19

遺言執行者というのは,簡単に言えば,遺言又は家庭裁判所の決定により定められた,遺言の内容を実現するための手続をする人のことであると思って下さい。

ですから,単に,自分が死んだらこの遺言の内容を実行して下さいと第三者に依頼しても,遺言にて指定するか,家庭裁判所で選任されなければ,法律が定める正式な遺言執行者ではありませんので,注意が必要です。
民法では,遺言執行者は相続人の代理人として手続をするものとされていて,相続財産の管理や遺言の執行に必要な一切の行為をする権利と義務を有するものとされています。

そのため,遺言執行者が定められていれば,その遺言執行者が単独で手続を取ることができますし,逆に相続人等が自分等で勝手に相続財産を処分することはできなくなります。

一方,遺言執行者が選任されていなければ,相続人全員で遺言の内容を実行する手続を取らなければならないのだと考えてもらって構わないかと思います。
又,相続人以外の第三者への遺贈が定められている遺言については,遺言執行者が定められていれば,遺言執行者が単独で遺言内容の実現のための手続を取ることができますが,遺言執行者が定められていなければ,受遺者と相続人全員が共同で手続を取らなければなりませんので,そのような遺言については,遺言執行者を定めておくほうが,受遺者に対しては親切であることは間違いありません。

そのようなことから,遺言内容を実現する手続を速やかに行うためには,遺言において遺言執行者を指定しておくほうがよいとされているのです。
遺言執行者は必ず指定しなければならないかという点については,必ず指定しなければならないわけではありません。

もちろん,遺言の内容によっては,遺言執行者でなければ手続ができないもの(認知と相続廃除の内容です。)があるのは事実ですが,そのような遺言において,遺言の中で遺言執行者の指定がなされていなければ,相続人等によって,家庭裁判所に遺言執行者選任の申立てをすることで,家庭裁判所にて遺言執行者が選任されますので,遺言執行者の指定がなければ,遺言内容の実現に時間がかかることにはなりますが,遺言が無効になるというものではありません。
遺言執行者は,民法上なれないと定められているのは,未成年者と破産して免責決定を受けられていない人だけです。

ですから,現在の法律では,成年後見人,保佐人,補助人であっても,遺言者がその方でよいと判断すれば,遺言執行者に指定することはできない訳ではありませんが,そのような方は実際に遺言の執行業務を行うに当って,判断能力の点で問題があると思われますので,決してお勧めはできません。

なお,相続人の誰かが遺言執行者になれるかという点については,学者の間では争いはあるのですが,相続人であっても,相続廃除の遺言のような場合でなければ,遺言執行者になれるというのが一般的な見解ですので,相続人以外の第三者を指定しなければならないことはなく,相続人の誰かを遺言執行者に指定されることも通常は可能です。
又,遺言で遺言執行者に指定された方は,必ず,遺言執行者に就任して手続を取らなければならない訳ではありません。

どうしても,就任したくなければ,遺言執行者に就任することを拒否することもできます。

ただ,一旦就任した場合には,正当な理由があり,かつ家庭裁判所の許可を得なければ,辞任することはできませんし,遺言執行の任務を怠った場合には,解任の請求がなされる可能性もありますので,その点については遺言の効力が発生した時点で,慎重に判断されることが必要となります。

なお,遺言執行者が就任を拒否して遺言執行者がいなくなった場合には,相続人全員で遺言内容を実現する手続を取られるか,別に遺言執行者を選任する申立てを家庭裁判所にすることになります。
更に,遺言執行者は1人に限りませんので,遺言において複数の遺言執行者を指定することができますし,又は,遺言執行者を指定することを第三者にお願いすることも可能です。
では,遺言執行者は,具体的にどのようなことをするかという点については,簡単に説明しますと,就任した時点で,相続人や受遺者に就任の連絡をし,その後,被相続人の財産目録を作成して相続人等に交付します。

そして,遺言内容を実現するために名義変更や解約等の手続をした上で,最終的に,遺言執行の手続の経緯や収支の計算を相続人等に報告し,預かっているものを引き渡して,終了という流れになります。

又,自筆証書遺言や秘密証書遺言で遺言執行者に指定されている方が,その遺言書を保管されている場合には,まず,遺言書の検認手続を取らなければなりませんので,検認手続を行った後で,上記のような手続を取ることになります。
なお,遺言執行者に対する報酬という点につきましては,報酬なしとすることも可能です。

但し,遺言の執行手続には,手間と費用がかかることは事実ですので,相続人の1人を遺言執行者に指定するのであれば,その分,多めに相続させるようにするなどの配慮は必要ではないかと思います。

又,報酬を決める場合には,遺言で指定しておくことも可能ですし,遺言で指定がなければ,遺言執行者の請求に基づいて家庭裁判所が相続財産の状況等を考慮して決定することになります。
上記の説明は,遺言執行者の手続内容の大枠程度のものでしかありませんし,遺言執行者については,上記の内容以外にも,遺言の内容に反するようなことを相続人が勝手に行ったり,遺言執行に関して争いがあるような場合には裁判を起こしたり,逆に裁判を受けたりしなければならないことがあります。

又,「相続させる」という遺言については遺言執行者が手続する権限があるのか等の問題もありますので,遺言執行の実務について,その解説だけで一冊の分厚い本になるものですが,通常は上記の説明程度のことを理解していただければよいかと思います。

具体的な問題に関しては,専門家にご相談下さい。
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